明けましておめでとうございます。

皆さまお元気でしょうか?さて、2019年がスタートしました。今年は元号も変わる年であるとともに大きな変革の時となりそうです。私は今年の3月にて現職の横須賀市立市民病院関節外科を辞し、4月より川崎幸病院(https://saiwaihp.jp/departments/section/aorta.php)に勤務することとなりました。この病院の大動脈センターの山本晋先生は、もう一昨年の暮れとなりますが(ご覧になられた方々もいらっしゃると思います)BS朝日の“すご腕ドクター”に登場しました。山本先生が番組のトップバッターで、その次に私が“変形性膝関節症”で登場いたしました。奇遇な展開であると思います。川崎幸病院では関節外科センターを名乗らせていただく予定です。膝関節の矯正手術とともに細胞治療を併用したさらにワンランク上の治療を目指すことを考えています。また、地方から来院される方々にとっては交通の便は横須賀市立市民病院に比べて圧倒的に簡便になります。新幹線では品川駅経由で、空路では羽田空港経由で利便性が大幅にアップします。受診は予約制とさせていただきます。詳しいことは今月の下中頃に当ブログにて掲載したいと思います。

さて、今朝の日経新聞の第一面に再生医療の記事が載っていました。“再生医療 商用段階に”という見出しです。軟骨再生治療が、まずは膝関節で実用化されるという内容です。ここでは8社の企業が紹介されていました。

日経再生医療記事

いずれも軟骨再生治療です。多くは培養した軟骨細胞をシート状にしたキャリアに載せて膝関節に移植するという内容のようです。しかしハタと疑問が頭をよぎりました?どれも魅力的な内容かと思いますが、本当に軟骨が再生するのかなという疑問です。まず初めに考えなければならないことは、この様な治療を受けなければならない患者さんは、どうして膝関節の軟骨がなくなってしまったのか?ということです。その原因を解決せずに安易に再生のみを追い求めるのは危険かもしれません。もし治療を受けたとして、一時は良くなっても結局はまた元に戻ってしまうという危険性を孕んでいるのではないか?という疑問が頭を擡げる方もいらっしゃると思います。私の本(ひざ再生術で痛みを取って長生きする)の中に記載していますが、O脚を放置しての再生治療はお金の無駄使いとなり、決して良い方向には進まないということです。
O脚


変形性膝関節症の患者さんのほとんどはO脚を合併していて、そのO脚を矯正することで症状が改善することはこれまで我々が証明してきた事実です。長い目で見れば、しっかりとO脚を手術によって解決し、その後にこのような治療を受ければ効果は期待できると考えます。軟骨再生だけが独り歩きすることは危険であるというのが私の意見です。皆さま、どのようにお考えになりますか?

もう一つ明るい話題を掲載いたします。秋山さんという女性の方です。


秋山殿
横須賀市立市民病院にて両膝のクローズドウエッヂ高位脛骨骨切り術を受けて
8年目に入りました。両膝ともに重度の変形性膝関節症を患っていましたが、現在では膝の疼痛はほとんどなく元気にご活躍されています。昨年の11月に徒歩で山手線一周を達成されたそうです。駅の切符の写真をお持ちになられました。約40Kmあるそうですが、一回に10Km歩くことを4回に分けて踏破したそうです。ここに写真を掲載させていただきました。

山手線


ありがとうございました。